絞り込み【第159話】

成長するためには、
新しいものを増やすだけではなく、
不要なものを整理することも大切です。

第159話は、
会社の取引先整理を通して、
「絞り込むこと」の意味を考えた一篇です。

何を残し、何を手放すか

私の会社では今、
徹底的に購買取引先の絞り込みをしろ、
と大命令が出ている。

取引先を絞り込むことによって、
­贅肉(ぜいにく)のない、
筋肉質な会社にするのだ。

人間の身体­(からだ)も会社も、
組織であるからには同じだ。

身体を絞り込むのはきつい。

運動して汗をかかなければならない。

さらに食事調整をする必要がある。

それらを継続的に、
確実にやらなければ、
すべてが
絵にかいた餅(もち)となってしまう。

購買の仕事も、
同様の考え方をする必要がある。

まず仕入先の分析から始める。

分析もおざなりの資料作りではなく、
足で汗をかいて作らなくてはならない。

資料に基づいて各仕入先と交渉、
という運動をする。

運動をすれば自然と汗もかく。

そして食事調整ともいえる
現在の取引先調整をする。

これらを継続的に、
確実にやる。

さらに肉類を増やし、
野菜もいままで以上に多く摂取し、
コスト締めをはかる。

要するに、
バネのような筋肉コストにするわけだ。

ここで一番気をつけなければならないのは、
ウェイトトレーニングは過度にしてはならない、
ということだ。

筋肉はバネのようであっても、
柔らかくしておくことだ。

筋肉マンであっても、
もろく、
耐久性に欠けるようであってはいけない。

企業対企業という面から、
相手を切ってゆく。

親しくしてきた企業、
営業マンの善し悪しとは関係なく、
絞り込みという点から切ってゆく。

やってみると結構つらいものがある。

上司から
「取引先に直接『切る』といわなければいいんだ」、
といわれても、
明日はわが身と思えば
やはり他­人­事(ひとごと)ではない。

私の作家活動は
ひとつに絞り込まない。

取り敢えず
あらゆる分野に挑戦したい。

そうすることで、
逆に自分の能力も方向性も、
ハッキリしてくるのではないかと思う。

執筆日:1998/10/14(水)

編集後記

仕事でも人生でも、
選択と集中は大切です。

一方で、
可能性まで狭めてしまう必要はありません。

何を絞り込み、
何を広げるか。

その見極めが
人生を豊かにするのだと思います。

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抜け道|どんな状況にも、必ず道は残されている