権力とは何か【第43話】

権力とは、
一体どのようなものなのだろうか。

それは人を動かす力であり、
同時に、人を縛るものでもある。

サラリーマンという立場において、
その影響は避けて通れない。

ある出来事をきっかけに、
その実態を考えさせられた。

サラリーマンが逆らえない理由とその正体

一昨日、
バイオリズムについて触れた。

今週、
私のバイオリズムは少々狂っている、
と。

そして、
昨日は行きたくない症候群について触れた。

その昨日、早朝のことだ。

出社早々、
最高権力者から呼び出しがあり、
お目玉を食った。

今週のシャキッとしない状態が、
少しは引き締まった効果はあった。

それにしても権力者の都合だけで、
朝早くからガミガミ言われるのは
割に合わない話ではある。

よほど言い返してやろうかと思ったが、
言い返せなかった。

サラリーマンは、
権力にすこぶる弱い。

権力者に対しては、
しっぽを振りこそはしなくても、
­吠(ほ)えることはできない、しない。

私にはとても真似できないが、
最高権力者ともなれば、
我々のように
ゆっくりとはやっていられないのだろう。

何千人もいる人たちを、
路頭に迷わせてはいけないと、
常に神経を張っているのだろう。

私たちにはない苦労が、
たくさんあるに決まっている。

いや、絶対にそうであってもらわないと。

自分勝手な権力者も多いが、
真剣に会社や従業員のことを
考えている権力者もいる。

しかし穿(うが)って見れば、
権力で身を固めている人は、
ものすごく脆­(もろ)いのかもしれない。

権力の鎧(よろい)がなくなってしまったら、
もしくは鎧でなくなってしまったら、
どうやって立ち直るのか。

多分、
一度身につけてしまったら
取り外せないのだろう。

なくして生きてゆけないのだろう。

そう考えると、
権力も決して良い物でもないような気がする。

私は千日解放で物書きになれたとしても、
権力者にはなりたくない。

作家の世界に入ってまで、
サラリーマンを延長したような仕事、
生活は絶対にしたくない、
と心から願っている。

執筆日:1998/06/20(土)

編集後記

権力は、
持つ側にも、
持たない側にも、
それぞれの重さがあるのだと思います。

強さの象徴のようでいて、
実は非常に繊細なものなのかもしれません。

だからこそ、
それにどう向き合うかが、
生き方そのものに影響するのだと感じます。

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