行き詰まったように思える時でも、
少し視点を変えると、
新しい道が見えてくることがあります。
第160話は、
パソコン故障をきっかけに、
「抜け道」を見つける発想の大切さ
について綴った一篇です。
どんな状況にも、必ず道は残されている
パソコンが故障してから
すでに五日経っている。
直るまではペンでノートに書く以外、
他に方法はないのかと思っていたら、
抜け道があった。
緊急起動方法である
セーフモードを使用して書くのだ。
最も基本的なソフトしか使えないが、
応急的に書けると部下が教えてくれた。
いずれにしても、
まずはホッとしている。
あとはアフターサービスの技術者が、
来週火曜日にくるのを待てばいい。
パソコン修理のため、
会社に休暇届けをまた提出した。
仕方ないとはいえ、
貧しい休暇の取り方だ。
しかし物事には
必ず抜け道があるものだ、
と知った。
人間はそれを自分自身で
塞(ふさ)いで、
にっちもさっちもいかなくなってしまう
ケースが非常に多い。
最近の、
中高年の自殺報道をみていると、
まさにそういう観が否めない。
あるていど成功している中高年の中で、
バブルが弾けて負債を背負い、
喘(あえ)いで自分の命を絶つ人がいる。
なぜか。
五十近くにもなれば、
自殺をしても
「死に急ぎ」といわれる歳(とし)
ではないかもしれない。
でもあと三十年、
いや、
それ以上生きられるかもしれないのだ。
だったら、
死ぬのはつまらないことではないか。
たしかにあるていど成功をおさめ、
様々な点で裕福だったときを思えば
つらいかもしれないが、
レベルを落として生活する
しかないではないか。
という単純な解答すら、
浮かんでこなくなってしまうのか。
パソコンだって、
いらないものがたくさんついている。
でもベーシックなソフトさえ動けば
充分に書ける。
負けずに書くことが重要なのだ。
人生も全く同じだと思う。
最後は裸になればいいのだ。
そうなれるか否か、
の違いだけだ。
どんな状況になっても生き延びてやる、
という意識は、
様々な貪欲(どんよく)さから来るもの
と私は信じている。
執筆日:1998/10/15(木)
編集後記
人生では、
思いどおりにいかないことが何度もあります。
それでも、
「他に方法はないだろうか」
と考え続けることで、
新しい道が開けることがあります。
諦めない姿勢こそが、
次の一歩につながるのだと思います。
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