生活不安度指数が映し出した時代【第132話】

1998年は、
景気の低迷や雇用不安が
社会全体を覆っていた時代でした。

第132話は、
当時の調査結果をもとに、
人々が抱えていた生活への不安
について考えた一篇です。

時代背景は変わっても、
将来への不安と向き合う姿勢は
今も大切なテーマだと感じます。

不安と向き合う力を持つ

本年(1998年)8月の
消費者心理調査(日本リサーチ総合研究所調べ)
によると、
「生活不安度指数」は、
1977年の調査依頼最悪となったそうだ。

なかでも大きな不安というのは失業で、
66パーセントの人が
「不安がある」
と回答している。

サラリーマン世帯の実収入は、
前年同月に比べ1.1パーセント目減りしており、
完全失業率が相変わらず4パーセントで
高止まりしている。

さらに7月の全国倒産件数(東京商工リサーチ)が
前年比28.5パーセント増と、
前年を大きく上回っている。

これら負の情報が、
不安度を増しているのだろう。

当然の結果として、
消費者の購買意欲は落ちこんでくる。

ここで面白い調査結果があるのを紹介する。

電通の6月消費実感調査で、
今後一年間の支出を「引き締める」が
42.1%あったそうだ。

これは時節柄よく理解できる。

反対の「緩める」が
6.1%あったという。

調査の詳細な条件は記されていなかったため
分からないが、
なぜいま支出を緩めるのか。

「緩める」という回答をしたのは
どんな人たちか興味深い。

支出を緩めるという回答が、
6.1%とはかなり高率だな、
と感じるのは私だけだろうか。

私は現在失業しているわけではないので、
経済的に切迫はしていない。

しかし支出を緩める気はもうとうない。

「緩める」と回答した人たちは
サラリーマンではないな、
と思った。

それともサラリーマンが
少しは混ざっているのだろうか。

日本も徐々に貧富の差が出始めている証左か。

現実としていま失業したらどうだろう。

10年以上前なら、
土方をしても家族を養う自信はあった。

しかしいまの時代、
土方では子供を学校にやって四人家族は養えない。

まず土方という職にありつけないだろう。

執筆日:1998/09/17(木)

編集後記

時代ごとに不安の内容は変わります。

しかし、
不安そのものがなくなることはありません。

だからこそ、
状況を悲観するだけではなく、
自分にできる準備を積み重ねることの大切さを
忘れずにいたいと思います。

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