仕事と家庭のバランスは、
多くの人が悩み続けるテーマです。
第131話は、
仕事の悩みを家族にどこまで話すべきか
という身近な出来事から、
働き方と家族の関係について考えた一篇です。
今の時代にも通じる問い掛けが
込められています。
仕事と家庭、どちらも大切にするために
早朝ウォーキングの最中に、
仕事の件を妻に話そうかどうか迷った。
いま仕事で気になることが、
微妙に家族にも影響を及ぼすかもしれない
と思ったからだ。
結果的には何も話さなかった。
よけいな心配をかけたくない、
というような理由からではなく、
「ま、いいか」という軽い結論だ。
私は仕事を家庭に持ち込んだことは、
ほとんどない。
意識的にそうしているわけではない。
そんな必要もないと思っているからだ。
もちろん私がどういう仕事をしているか、
一般的な話はしてある。
細かいことはまったく話していない。
だから必要があれば話すだろうし、
辞めるまで話さないかもしれない。
何年か前に、
定年を迎えた先輩のサラリーマンから聞いた話だ。
「おれは決して仕事を家庭には持ち込まなかった。
娘がおれの定年を祝して
『それだけは偉かったと認めるわ』
って言ってくれた」、
という。
たしかに偉いことなのかもしれないが、
私は仕事を家庭に持ち込んでもいいではないか、
と思う。
なぜなら、
家庭はそういうところではないか、
と思うからだ。
ただ必要以上に持ち込むことはない、
とは思うが。
日本のサラリーマンは、
それこそ家族の援助がなければ
立ちゆかないにも拘わらず、
家族を仕事以上に考えていないところがある。
特に、
五十代以上の人に多い。
若い人たちは、
家族への考え方が多少違ってきている。
日本の会社組織と社会通念が
変化を起こさない限り、
現在の考え方である
仕事重視が家族寄りになるとは思えない。
もしいまの環境は変わらずに、
家族重視思考にでもなったとすれば、
それこそ生活が立ちゆかなくなる。
つまり会社を辞めざるをえなくなるからだ。
それでも家庭重視を貫くためには、
自己防衛しかない。
独立できるように勉強することだ。
執筆日:1998/09/16(水)
編集後記
働き方は、
この28年で大きく変わりました。
それでも、
仕事と家庭のどちらも大切にしたいという思いは、
今も昔も変わらないのではないでしょうか。
家族は支え合う存在であることを、
改めて考えさせられる一篇でした
👉第132話はこちら
生活不安度指数が映し出した時代|不安と向き合う力を持つ

