権力とは、
一体どのようなものなのだろうか。
それは人を動かす力であり、
同時に、人を縛るものでもある。
サラリーマンという立場において、
その影響は避けて通れない。
ある出来事をきっかけに、
その実態を考えさせられた。
サラリーマンが逆らえない理由とその正体
一昨日、
バイオリズムについて触れた。
今週、
私のバイオリズムは少々狂っている、
と。
そして、
昨日は行きたくない症候群について触れた。
その昨日、早朝のことだ。
出社早々、
最高権力者から呼び出しがあり、
お目玉を食った。
今週のシャキッとしない状態が、
少しは引き締まった効果はあった。
それにしても権力者の都合だけで、
朝早くからガミガミ言われるのは
割に合わない話ではある。
よほど言い返してやろうかと思ったが、
言い返せなかった。
サラリーマンは、
権力にすこぶる弱い。
権力者に対しては、
しっぽを振りこそはしなくても、
吠(ほ)えることはできない、しない。
私にはとても真似できないが、
最高権力者ともなれば、
我々のように
ゆっくりとはやっていられないのだろう。
何千人もいる人たちを、
路頭に迷わせてはいけないと、
常に神経を張っているのだろう。
私たちにはない苦労が、
たくさんあるに決まっている。
いや、絶対にそうであってもらわないと。
自分勝手な権力者も多いが、
真剣に会社や従業員のことを
考えている権力者もいる。
しかし穿(うが)って見れば、
権力で身を固めている人は、
ものすごく脆(もろ)いのかもしれない。
権力の鎧(よろい)がなくなってしまったら、
もしくは鎧でなくなってしまったら、
どうやって立ち直るのか。
多分、
一度身につけてしまったら
取り外せないのだろう。
なくして生きてゆけないのだろう。
そう考えると、
権力も決して良い物でもないような気がする。
私は千日解放で物書きになれたとしても、
権力者にはなりたくない。
作家の世界に入ってまで、
サラリーマンを延長したような仕事、
生活は絶対にしたくない、
と心から願っている。
執筆日:1998/06/20(土)
編集後記
権力は、
持つ側にも、
持たない側にも、
それぞれの重さがあるのだと思います。
強さの象徴のようでいて、
実は非常に繊細なものなのかもしれません。
だからこそ、
それにどう向き合うかが、
生き方そのものに影響するのだと感じます。

