契約社会で大切なこと【第124話】

契約という言葉を聞くと、
難しい法律の話のように感じるかもしれません。

しかし、
私たちの日常には、
買い物や保険、仕事など、
さまざまな契約が存在しています。

第124話は、
契約社会へと変わりつつあった当時の日本を通して、
「約束を守ること」の意味について考えた一篇です。

約束は「書くこと」だけではない

本日久しぶりに、
外部の講習会に出席した。

現在私が購買職の関係上、
「下請け絡みの、契約書の見方作り方」
という題目だった。

日本の社会は契約書を交わすことに、­
未だに慣れていない、
と講師は言っていた。

条文のなかに変更はできない
と書いておきながら、
変更をする特別条文があったり、
最後は話し合いで始末をつけましょう、
みたいな条文があったりする。

外国人からみれば、
何のために契約書を結んだのか、
といわれかねない代物だそうだ。

たしかに日本人は、
約束事を文書で残したがらない。

しかし講師曰(いわ)く、
口約束も立派な契約だそうだ。

そんなことはあたり前だ、
と私も思うが現実は少し違うようだ。

口約束は、
文書で残したものよりも軽い
と考えている人が多いらしい。

そのいい例として、
何か問題が起こったとき、
文書で残っていなければ大丈夫だ、
と平気でいう人がいるそうだ。

また逆に
「証拠があるのか、証拠が」
と開き直っている場合は、
口で言ったことではなく、
文書を指している場合だそうである。

これらから考えると、
契約書が強者によって、
弱者に利用された場合は最悪だ。

契約書によって
立場の強い弱いを調整し、
差別のないようにすべきが、
逆の効用になってしまう。
ややもすると、
強者のためだけに作った契約書
である場合すらでてくる。

実際ふつうの人は、
保険の契約時やローンを組むときに、
用紙や証券の裏に書かれた、
細かい字の条文は読まないだろう。

何か問題が起こっても、
細かい条文など読んでない、
誰からも説明などなかった、
といえば何とかなる、
と誤解している人は多い。

私などもそのひとりだ。

もうそんな時代は終わった。

日本もゆるやかではあるが、
契約社会になってきている。

執筆日:1998/09/09(水)

編集後記

今では
電子契約やオンライン手続きが
当たり前になりました。

便利になった一方で、
「読まずに同意する」場面も増えています。

契約とは
相手との信頼関係でもあることを、
改めて意識したいと感じました。

👉第125話はこちら
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