プロ意識とは何か【第37話】

「プロ意識」とは何だろうか。

肩書きや立場ではなく、
自分の仕事にどれだけ責任を持てるか――


それが問われる場面は、
日常の中にいくらでもある。

ある出来事を通して、
その本質を考えさせられた。

サラリーマンでも問われる責任の本質

明日、
日本は初めてのサッカーワールドカップ初戦を、
アルゼンチンと戦う。

今頃になって、
その入場券をめぐるトラブルのあったことが
明らかになった。

旅行会社が募ったツアーの入場券は
ほとんど手に入らなかったようだ。

フランスで歴史的な試合観戦だけを
楽しみにしていたサポーターの夢は、
無残にも打ち砕かれた。

一抹の可能性にかけて、
出かけて行ったサポーターも
かなりいたようだ。

けなげなものだ。

非常に憤慨したのは、
ニュースで日本の旅行代理店部長が、
インタビューに応じているのをみたときだ。

顔に笑みさえ浮かべて話しているではないか。

すみませんでした、
という気持が顔のどこにも、
微塵­(みじん)もなかった。

それどころか、
自分たちが企画したツアーの甘さを棚に上げ、
チケットのブローカーに抗議もせず、
発売元に文句を言っている。

消費者に販売しているのは、
日本の旅行代理店だろう。

ブローカーから、
チケット確保もしていないのに企画を売り出した。

勇み足だ。

報道によると、
この点を現地チケット発売元も
指摘していたという。

しかしその点について、
陳謝している代理店は一社もない。

サラリーマンといえども、
自分のやっている仕事には
もっと責任を持って欲しい。

今回の事態は許せることではない。

しかるべき人(一介のサラリーマンであっても)に
責任をとらせるべきだろう。

サッカーファンでない私でも、
納得のいくことではない。

そんな奴は、
サラリーマンの風上にも置けないと思う。

報道も良くない。

いつもならずさんな企画の責任を問うはずだ。

なぜか今回はキャンセルによる、
旅行代理店の損害だけを大きく報じている。

何が問題か、

核心を報道すべきだろう。

プロ意識を持って。

執筆日:1998/06/14(日)

編集後記

プロ意識という言葉は、
特別な職業にだけ求められるものではないと思います。

どんな立場であっても、
自分の仕事に責任を持つこと。

その積み重ねが、
社会全体の信頼を支えているのではないでしょうか。

👉第38話はこちら
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