作家で食べていくのは可能なのか【第61話】

夢を追うことは、
時に現実と向き合うことでもある。

好きなことを仕事にしたい。

そう願う人は多い。

しかし実際には、
数字として見えてくる厳しさも存在する。

今回は、
“文章を書く人生”について、
改めて棚卸しをしてみたい。

決算棚卸しで見えた現実

私どもの会社は珍しく、
決算月が6月である。

先月決算を終えて、
ほっと一息入れているところだ。

「千日解放」はまだ二ヶ月あまりだが、
文章を書き始めてからは約百日経過したので、
私も仮決算と棚卸しをしてみようと思った。

まず、何はともあれ、
書き出した作品が十四編。

内訳は短編小説五編、
中編小説三編、
長編小説三編、
エッセイ三編、
合計十四編。

短編はすべて書き終わっている。

あとは推敲(すいこう:文章を何度も練り直すこと)
と校正(こうせい:文章の誤字脱字等を正し、正しい形に整える作業)
を繰り返してゆくだけだ。

といっても、
すでに何度も推敲は繰り返している。

さらに作品を投稿するまで、
何度でも推敲しようと思っている。

400字詰原稿用紙にして、
合計約360枚、
一日平均3.6枚になる。

自分では意外に少ないな、
と思った。

平均5枚位は書いていると思っていたのだ。

毎日平均約3時間から4時間、
こうしてパソコンに向かって文字を打ち込んできた。

つまり、
一時間で原稿用紙一枚しか書けていない計算になる。

なんとも、
のろいペースだ。

サラリーマン解放されても、
一日6時間位しか書けないと思うから、
6枚書けるとしよう。

土・日は原則休むとしたら、
年間約1600枚しか書けない。

400ページそこそこの単行本にして、
年間2冊分位のボリュームにしかならない。

さらに作品すべてが出版されるとはいえない、
と考えると、
良くみてその半分、
すなわち一冊の単行本を出せたとする。

原稿料と、
5万部売れた場合の印税が入って、
始めて今の給料と同額程度になる。

かなり大変な職業だ。

果たして自分の本が、
5万人もの人に読まれるだろうか。

しかし、
年間最低5万人の人が読んでくれると、
固く信じて書き続けるしかない。

必ず読んでくれる人がいる。

今から事前に感謝。

執筆日:1998/07/08(水)

編集後記

理想だけでは、
生きていくことはできません。

しかし現実を知った上で、
それでも挑戦したいと思えるなら、
そこに本当の意味があるのだと思います。

夢を見ることと、
現実を見ること。


その両方が必要なのかもしれません。

👉第62話はこちら
人はなぜペンネームを使うのか|もう一人の自分を作る理由