財布の中身を見ると、
少し安心したり、
不安になったり。
そんな経験は誰にでもあるでしょう。
第148話は、
お金そのものだけではなく、
サラリーマン世代が抱える
生活や将来への不安について綴った一篇です。
財布の重さと、心の豊かさを考える
私たちサラリーマンの財布の中味は寂しいものだ。
先日、
芸能人のポケットにいくら入っているかという、
テレビ番組をやっていたが、
彼らのようにはいかない。
中には百万円入っている人もいたくらいだから、
彼らは十万円程度は常に携帯しているのだろう。
公私共に金のかかる世代は、
せいぜい数万円が財布に入っていれば良い方で、
私などは一万円に満たない。
通常、
サラリーマンのおとうさんたちは、
3~5万円くらいが一月の小遣いだろう。
その中から昼食代、飲み代、床屋代等々、
現状はやりくりが大変だろう。
昼食といっても、
都内であれば一食千円前後だ。
夜のつきあいは、
少なく見積もっても二、三千円はかかる。
毎日つきあっていたら、
小遣いがいくらあっても足りなくなってくる。
その他にゴルフをやっているようなおとうさんは、
やりくり上手にしなければ、
月5万円ではやってゆけない。
当然他のことを我慢しなければならなくなる。
飲むのを週に一、二回にして、
月一回のゴルフ代にあてるなど、
涙ぐましい努力をしているのだ。
そこで夏・冬のボーナスに期待をかけるわけだ。
しかし、
いまやそのボーナスがまったくあてにならない。
家や教育ローンを返済し、
大学生のいる家庭では、
子供の学費を払ったら何も残らない。
せめて夢をみさせてくれとばかりに、
ボーナスが支給されるころに
タイミング良く発売される、
宝くじに運を委ねる。
しかしいつも戻ってくるのは
購入金額の十分の一だ。
私は財布の中味は乏しいが、
心の中身は豊かです。
といったところで何の役にもたたない。
現実に財布の中味が軽いと不安になる。
ズッシリ重くなくていいから、
少し重いなと感じたい。
コインでなく、札の重みで。
執筆日:1998/10/03(土)
編集後記
物価や生活環境は
1998年とは大きく変わりました。
しかし、
「将来への備えが気になる」という気持ちは、
今も昔も変わりません。
お金だけでなく、
自分の力を育てることも大切な資産なのだと思います。
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