人はなぜ分かり合えないのか【第90話】

人と人との間には、
必ず違いがあります。

年齢、立場、経験、価値観。

その違いを埋めようとするからこそ、
人は出会い、学び、成長するのかもしれません。

今回は「ギャップ」という言葉から
人生について考えてみます。

人生はギャップを埋める旅なのか

人と人の間には、
必ずギャップがある。

若い者と老いた者。
大人と子供。
女と男。
上司と部下。
金持ちと貧乏人。
強い人と弱い人。
作家と読者。
歌手と伴奏者。
夫と妻。
先生と生徒。
ピッチャーとバッター。
投稿者と選者。
販売者と購買者。……切りがない。

ギャップを埋めることによって、
そこに愛が生まれたり、
友情ができたり、
感動があったり、
理解ができたり、
ひとつの音になったり、
いい汗かいたり、
ドキドキがあったり、
ヒット商品が生まれたりする。

穿(うが)った言い方をすると、
人生はギャップを埋めるために時を費やしている、
といったら大袈(おおげ)さか。

しかし、
考えてみると、
人は人と人の間で生きてゆく宿命がある以上、
必ずギャップがあるわけだから、
意識していようがいまいが、
ギャップを埋めようとしている。

意識して、
ギャップを埋めようとすれば、
ストレスになったりするが、
ほとんど意識せずにすむ場合は、
疲れない。

まったく意識せずにすむ場合は、
それこそストレス解消になったりする。

またギャップを埋めようとして
ストレスがたまっても、
見事に埋められれば、
逆に大きな感動となり
ストレスも解消される。

ギャップを普遍的に埋めようとして
芸術が生まれ、
創作者の一方的な行為にも拘­らず、
受け手は満たされるという不思議な、
説明のし難い事象もある。

不特定多数の人たちが、
作者の気持や思いを共有できると同時に、
人間は永遠に孤独であることを
感ぜずにはいられない。

だからこそ、
互いにギャップを埋めあって
生きてゆかなければならない。

そんな作品が書けたらいいな、
と思っている。

そこまで辿(たど)り着くには、
私の能力では
まだまだ大きなギャップがある。

執筆日:1998/08/06(木)

編集後記

人は完全には分かり合えません。

だからこそ、
理解しようと努力する価値があります。

このブログもまた、
誰かとのギャップを
少しでも埋めるために
書き続けているのかもしれません。

👉第91話はこちら
プラス思考だけでは生きられない|人生はプラスとマイナスの綾でできている