サラリーマンの致命傷【第188話】

サラリーマンにとって、
会社の経営者との関係は、
ときに仕事の実力以上に大きな意味を持ちます。

1998年の私は、
経営者との相性や
会社員としての生き方について考えています。

サラリーマンとして生きる難しさを、
率直に綴った一篇です。

サラリーマンは会社の常識の中で生きる

経営者に睨(にら)まれることは、
サラリーマンにとって、
大きな致命傷となってしまう。

これほどなす術(すべ)­がないこともないだろう。

仕事の実力とは関係なく、
事が魔物のように加速度をつけて進んで行ってしまう。

左遷、降格ていどなら良い方で、
最悪の場合はクビ、
ということにもなりかねない。

それが厭(いや)なら自分が経営者になるか、
自営業に転身するしかない。

私のように小説家を目指しても良い。

いずれにしても独立する以外ない。

そこまでは考えたくない、
サラリーマンでいたいというならば、
サラリーマンという枠の中で、
自分の適所を探すしかない。

人材銀行などに登録しておき、
自分と合う経営者を探すか、
そんなにのんびりできない人は、
転職を繰り返し、
相性が良い経営者との巡り合いを
積極的に求めてゆくかだ。

サラリーマンは
在籍する会社の常識で動かなければならないし、
上司や経営者の癖を知って、
少なくとも、
その逆鱗(げきりん)に触れないていどの知恵は
持たなければならない。

ある部分では割り切る、
という気持ちを持たないとやってゆけない職業である。

大部分で割り切ってしまうと、
いわゆるゴマすり男になってしまい、
ゴマすり対象以外の人からは、
総すかんを食うという羽目にもなりかねない。

ここいらあたりが、
サラリーマンの一番難しいところだ。

「冗談じゃあねえや、やめてやる」、
と喧­嘩腰(けんかごし)に会社をでた人が成功した、
という話はあまり聞かない。

そういう人たちはほとんどの場合、
それなりの
経­緯(いきさつ)があってやめてゆくケースが多い。

ほんとにやめたくなって、
しかも生活のことを真剣に考えたら、
静かにやめる。

そのくらい慎重な計画性を持たなくては、
サラリーマンという長丁場は乗り切れない。

執筆日:1998/11/12(木)

編集後記

1998年の私は、
サラリーマンにとって
経営者との関係が
どれほど大きな意味を持つのかを考えていました。

2026年の今読み返しても、
会社の中で働く難しさは感じます。

そして、
辞めるにしても感情だけで動かず、
生活を考えて計画することが大切だと改めて感じます。

👉次回記事「第189話」はこちら
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