環境問題への関心は、
時代によって注目されるテーマが変わります。
第107話は、
1998年当時、
大きな社会問題となっていた
「環境ホルモン」
を取り上げた一篇です。
現在では新たな研究も進んでいますが、
未来の環境を守ろうとする問題意識は、
今も変わらず大切だと感じます。
未来のために環境を考える
なんと難しい問題を
タイトルにしてしまったのか。
私の勤める会社は、
まがりなりにもケミカル関連企業である。
環境ホルモンくらい
テーマにできないでどうする、
という気持から単純に取りあげてしまった。
環境ホルモンは、
知れば知るほど恐ろしくなる、
重大な問題である。
一地域、
日本だけの問題でなく、
全人類の問題であろう。
正式には、
外因性内分泌撹乱化学物質
(がいんせい ないぶんぴつ
かくらん かがくぶっしつ)
という。
生体内におけるホルモン作用を
妨害、破壊し、混乱させる
化学物質のことだ。
簡単にいえば、
化学物質によって
人体の様々なメカニズムが
狂ってゆくことで、
究極的には人類が滅亡するという、
その原因となる化学物質が
環境ホルモンだそうだ。
いま問題になっている
ダイオキシンは、
環境ホルモンのひとつであり、
生態系に悪影響を及ぼす、
ということである。
あらゆる商品の素材として、
代わる物がないといわれるほど素晴らしい
塩化ビニール。
それをある温度以下で燃焼させると
発生するのが、
ダイオキシンであり、
体内に蓄積すると、
生態系に影響がでるというのだ。
ダイオキシンは
脂肪に良く溶けるそうで、
汚染された母親の母乳に
濃縮されて含まれており、
子供に授乳すると、
子供は大量のダイオキシンを
いっぺんに摂取することになる。
また最近よくいわれる
中学生や高校生の若者が、
キレルという現象、
犯罪へ向かう脳にも、
環境ホルモンは影響しているらしい。
日本列島は、
これらの物質で汚染されており、
特に近海の魚貝類は、
ダイオキシン濃度が他国の魚類と比較して、
驚くほどの高さに達しているそうだ。
サラリーマンも
昼食は充分注意して吟味しなくてはならない。
環境ホルモンは、
生ける者として、
未来のためにも見すごすわけにはいかない。
執筆日:1998/08/23(日)
編集後記
環境問題は、
一つの答えが出れば終わるものではありません。
時代とともに新しい知見が加わり、
私たちの考え方も少しずつ変わっていきます。
だからこそ、
未来を見据えて学び続ける姿勢
を大切にしたいと思います。
👉第108話はこちら
ウォークマンが教えてくれたこと|思いつくだけでは形にならない

