マイナス思考は本当に悪なのか【第92話】

私たちは子どもの頃から
「前向きに考えなさい」
と教えられます。

しかし、
物事の
危険性や失敗の可能性を考えること
もまた大切ではないでしょうか。

今回は、
敬遠されがちな
「マイナス思考」の役割
について考えてみます。

プラス思考を支えるもう一つの視点

プラス思考があるなら、
あたり前のようにマイナス思考もある。

ならばなぜ、
プラス思考だけが、
陽のあたる場所にいるのか。

マイナス思考は、
人のためにならないと思われているから、
いつも日陰にいるのか。

でもプラス思考の裏には、
つねにマイナス思考ありきではないか。

ということは、
間接的には、
マイナス思考も人のためになっている、
という考え方もできないことはない。

無理やり
こじつけているように
思われるかもしれないが、
こじつけではないと思う。

日本で
リスク管理がなかなか発達しないのは、
国民性が
プラス思考一辺倒になってしまう
傾向を持っているからか。

マイナス思考もできなくては、
プラス思考の良さは、
ほんとうには分からない。

又、
プラス思考だけでは、
それに信頼が置けなくなったとき、
最悪な事態を招く結果にもなりかねない。

プラス思考で突っ走るのはいいが、
結果失敗しても省みないし、
次にうまくやれば良いといって、
成功の糧にしない。

これでは、
やりっぱなしのプラス思考だ。

そのようなプラス思考は、
計画性のない会社経営に似ている。

結末は、
多くの従業員や扶養家族を
路頭に迷わすことになる。

つまり、社会悪である。

日本人は、
影が差す、
といってマイナス思考を嫌うあまり、
反省しない国民になってしまったのか。

マイナス思考あってのプラス思考であり、
たえず両極を頭の隅に置いておく必要がある。

そうして初めてプラス思考を
生かし切ることができる。

陰と陽は、
常に共存しており、
人間万事塞翁が馬

(にんげんばんじさいおうがうま:

何が幸運か不運かなど、

先のことは誰にも分からない)とも言う。

マイナス思考は
つねに必要なものである、
と自分にもいいきかせている。

執筆日:1998/08/08(土)

編集後記

慎重さは
時として
臆病さと誤解されます。

しかし失敗を防ぐためには、
最悪の事態を想定する力も必要です。

プラス思考とマイナス思考。

その両方を持つことが、
人生を
より豊かにしてくれるのかもしれません。

👉第93話はこちら
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