タバコ【第18話】

一時の平安を求めて吸うタバコ。

何度も禁煙に失敗。

そのたびに
止められない理由づけをしていたんです。

そうすると逆に吸う本数も増えてしまい、
まさしく禁煙は逆効果でした。

やめられない理由

タバコをなかなかやめられない。

本日このときをもって実行しよう、
と思案しながら煙をくゆらせてしまう。

私は最近、
首から肩、腰にかけて
痛みがはしり、
整形外科で診てもらった。

医者から、
「タバコはやめるべきだ」

などと
因果関係のないように思われる
提言をされた。

それから二週間、
やめれば痛みがなくなるのかもしれない、
などと思いつつ今日まできてしまった。

先日、
日本たばこ産業と政府を相手どり、
タバコが原因でガンになったので賠償しろ、
と60代と70代の男性グループが訴訟を起こした。

何をいまさら、
その歳まで吸っていて、
タバコに害があるのを知らないわけはないだろう、
自己管理の問題だろう、
と思った。

インタビューに応じた
訴訟グループのリーダーは、
若い人たちにも注意を喚起したかった、
と答えていたが、
私には釈然としなかった。

しかし私も他人事ではないのだ。

私の職場でも、
8名中6名が愛煙家だ。

会社は午前中禁煙で、
午後から解禁する。

午前中、
私は取引先の
訪問を受けることにしている。

なぜならば、
応接室で来客が喫煙するときは
私も堂々と吸える、
という暗黙のルールに従いたいからだ。

私はなかなかやめられない理由を、
酒はやりませんのでせめてタバコぐらい、
と自他ともに言い訳している。

以前に何回か、
数ヶ月間やめたこともあるが、
口元の寂しさに耐えきれず中断してしまった。

今や世界中で、
堂々とタバコを吸える環境が
なくなり始めている。

日本国内でも、
愛煙家は急速に肩身が狭くなってきている。

千日解放を書き終えるまでに
やめられたらと思いつつ、
私はくわえタバコで煙りに巻かれている。

執筆日:1998/05/26(火)

編集後記

私はこの千日解放を執筆中に、
ついに禁煙に成功しました。

それはタバコを禁止する、
という決心を捨てた事です。

吸いたきゃ、また吸えばいい、
という柔軟性を持たせた軽いノリでした。

そして今まで約30年近く吸わずに済んでいます。

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家庭|妻といれば鬼に金棒