人には、
人生を変える出会いがある。
それは人かもしれないし、
音楽かもしれない。
若い頃に受けた衝撃は、
何十年経っても心の奥に残り続ける。
独立心という“直球”を受け取った日々
前タイトルで、
『朝日のあたる家』(アニマルズ)について書いた。
これは、
曲と演奏に感銘を受けたものである。
ビートルズに関しては、
存在、生き方に、強く影響を受けたといえる。
いずれ、
彼らの曲をモチーフにして、
書きたいと思っている。
多分、
彼らの影響がなかったら、
今の自分、
すなわち千日解放を書いている自分
もなかったであろう。
私はどちらかといえば自然流、
なるようになれと考えるほうで、
消極的でもなければ積極的でもないと思っている。
ただし、
彼らの生き方に共感を覚え、
ずっとその思いが、
サラリーマン時代にも燻(くすぶ)り続けていた。
そしていまになって、
こんな形で具現化しようとしている。
つまり、
彼らは独立心という
猛スピードの直球を私に投げつけてきた。
私は受け止め切れず、
35年間を無為に過ごしてしまった。
しかし、
力強くあたった球なので、
痛みは35年間消えることなく
疼(うず)いていたのだ。
いままさに、
その痛みから解放されるべく書いている。
蓄積された35年間の疼きが、
突然、雷に打たれた、
としかいいようのない形で噴出し、
物書きを目指すようになった。
そして毎日、
それこそ海外出張に行っても、
休まずに書き続けている。
自分でもこのエネルギーは一体何なのか、
どこから来るのか、
未だにはっきりとは理解していない。
ビートルズに憧(あこが)れた中学生から、
彼らの生地である
リバプールへ旅した大学生までの約十年間で、
彼らから得た独立の精神は葬られてしまった
と思っていたが、
しっかり生きていた。
これからは、
私も自分自身の創作物で生き抜いて行く。
サラリーマンから解放されるために。
執筆日:1998/07/18(土)
編集後記
若い頃に抱いた憧れは、
簡単には消えないものです。
遠回りをしても、
最後には自分の本当にやりたかった場所へ
戻ってくるのかもしれません。

