かつて取引先の英国人を
無理やり
朝のラッシュアワーに
引っ張り込んだ事があります。
彼は、いきどおって言いました。
こんな経験は一生に一度でたくさんだ!
と。
ラッシュアワー・英国人の感想
サラリーマンに満員電車。
一番良く似合う言葉である。
「ラッシュアワーの満員電車」は、
すぐにサラリーマンという種族を連想させ、
重い厭(いや)なイメージがオーバーラップする。
独立心の旺盛な若者が、
最もなりたくない種族の代表に、
サラリーマンを位置づけているのも、
うなずけなくはない。
昔、私が取引先の親しい英国人に、
「いいものを経験させてやるよ。
日本のビジネスを知る上で大いに役立つはずだ」
といって朝8時過ぎ、
わざわざ山手線のラッシュアワーに引っ張り込んだことがある。
昼食時、
ラッシュアワーの感想を聞いた。
彼はかなり真面目な顔をして、
こんな経験は一生に一度でたくさんだ!
と憤慨していた。
ある意味ではすごいというか、
馬鹿げているというか。
なぜなら、
一生に一度でいい経験を、
我々は毎日やっているのだから。
それも文句もいわずに続けているのだから。
私は、
「ラッシュアワーの満員電車」がなかったら、
若者のサラリーマン支持率も、
もう少し高くなるのではないかと思っている。
もっと良い仕事ができ、
もっと高年齢まで働けるようになるのではないか、
とも。
風邪で高熱を出し、
二、三日寝込んだとしよう。
やっと回復し、
朝のラッシュアワーに臨むと、
とても疲れる。
そう感じた経験をお持ちの方は多いと思う。
それほどエネルギーを消耗するのが、
満員電車だ。
スタートから、
疲れた身体で机に向かって、
良い仕事などできるわけがない。
しかしどうにもならないのは、
横並びに安堵を覚える日本人の国民性だ。
そのまま
会社という法人にも乗り移っている。
一時叫ばれた
時差通勤を実施している会社は、
少ない。
未だに都会のサラリーマンは、
横並びの安堵と引き換えに、
満員電車に疲れきっている。
執筆日:1998/06/03(水)
【編集後記】
コロナ禍の時は、
一時ラッシュアワーも
収まったかのように見えました。
しかし今ではまた元に戻っているようです。
本来仕事で発揮すべきエネルギーを
朝晩のラッシュアワーで費やすのは
もう止めたほうが良いのでは……
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光陰矢のごとし|時の長さは変わりなし

